KCSの原因遺伝子
KCS1型の原因遺伝子は、1998年に、常染色体1q42-43にあることが報告され、2002年にtubulin chaperone E (TBCE)遺伝子が原因であることが明らかにされました。TBCEはαチューブリンを折りたたみ、α―βチューブリンヘテロダイマーを形成するのに必要なシャペロンタンパクでありますが、KCS1型の発症機序はほとんどわかっていません。
KCS2型は、文献上報告数が少ないこともあり、長年の間原因不明でしたが、2013年にスイスのグループと日本のグループがそれぞれ独立した研究によりKCS2型の原因がFAM111A遺伝子のde novoの変異が原因であると報告しました。さらに、この2つの研究により、R569Hという変異が、KCS2型のホットスポットであることも同時に判明しました。FAM111A遺伝子は、全身に発現する611個のアミノ酸からなる遺伝子で、C末端にトリプシン様ペプチダーゼ相同領域を持つことが知られていますが、その機能についてはほとんどわかっていません。